家族信託の手続きにかかる期間はどれくらい?手続きの流れや専門家に依頼するメリットについて

2021/9/14

2021/09/21

この記事の監修

齊藤潔

さいとう司法書士・行政書士事務所
司法書士・行政書士・民事信託士
齊藤潔

開業以来、一貫して相続・成年後見など家族に関する法務に携わる。
家族信託や遺言など生前からの対策が必要な方への支援を行っている。

1.家族信託とは?


(1)家族信託の仕組み

家族信託とは、財産をお持ちの方が家族に財産を信託して、管理してもらうことができる仕組みです。

(2)家族信託を利用するケース

家族信託は、高齢者が認知症になっても財産管理に困らないように予め財産を信託しておいたり、障害を持った子供の親が財産を家族に信託しておいて、その子の生活を保障するためなどに使われます。

2.家族信託の手続きにかかる期間(専門家に依頼した場合)

(1)信託契約は最短でも1か月程度はかかる

司法書士などの専門家に依頼した場合、通常は3か月程度かかります。ご家族の意向確認や家族信託の制度を理解してもらうためには、ある程度の時間が必要です。ご家族が事前に制度についてよく理解しているような場合でしたら、1ヶ月程度で信託契約などの手続きを締結することもできるでしょう。

(2)専門家に依頼した場合の手続きの流れ

①初回相談~継続相談

 財産状況やご家族の関係性などの状況をヒアリングさせていただき、お客様の問題を解決するために家族信託が最適かどうか検討いたします。

②家族信託等のご提案と料金の見積もり

 家族信託だけでなく、遺言、成年後見など他の対策についても比較検討できるようなご提案を行います。費用の見積りも行い、比較検討していただくことになります。

③ご家族等への説明を行う

 家族信託を行うにはご家族の理解も大事ですので、説明を行い、よく理解していただきます。特に、財産を所有しているご本人(「委託者」といいます)と、財産を託される方(「受託者」といいます)は契約の当事者になりますので、よく理解していただかなくてはなりません。

④合意の内容に基づいて契約書を作成

 家族信託は契約をすることによって発効しますので、家族信託の設計内容を契約書に書き込んでいく必要があります。税金の問題がないかどうか税理士に検討してもらったり、公正証書にする場合は、公証人のチェックを受けることになります。

(3)家族信託の専門家を選ぶポイント

家族信託の専門家を選ぶポイントとしては、以下のようなものがあります。

① 家族信託を取り扱った経験が多いか

② 家族信託が専門で知識が豊富であるか

③ 家族信託を開始した後のアフターフォローも可能か

④ 専門外の分野にもネットワークがあるか

専門家を選ぶポイントについては次の記事でまとめていますので、ご参照ください。

家族信託の相談を弁護士や司法書士にするメリットとは?専門家を選ぶポイント解説

3.家族信託のメリットとデメリットについて


(1)家族信託のメリット

① 認知症などによる資産の凍結を回避することができる
② 本人の意向に沿った財産管理を行うことができる
③ 遺言と同じような機能がある
④ 複数の世代への資産承継を決めておくことができる
⑤ 不動産などの共有問題の対策になる
⑥ 倒産隔離機能がある

(2)家族信託のデメリット

① 損益通算ができなくなる
② 毎年税務署に申告をすることになる
③ 節税効果は基本的にはない
④ 長い間家族が契約に縛られることになる
⑤ 専門家に依頼した場合費用がかかる


家族信託のメリット・デメリットについては次の記事でまとめていますので、ご参照ください。

家族信託のメリット、デメリット、注意点のまとめ

4.家族信託の3つの種類


(1)信託契約


委託者と受託者が契約を締結して家族信託を成立させる方法です。
信託の目的、信託の対象となる財産、信託の当事者には誰がなるのか、信託で何を行うのかなどを契約書に書き込む必要があります。

(2)遺言による信託

 遺言によって家族信託を行う場合の手続きついては通常の遺言と同様です。
 遺言の方式は自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つがあります。このいずれかの方法によって行うことになりますが、保管の確実性などから、遺言公正証書にしておくことをお勧めいたします。


(3)信託宣言

 委託者自身が受託者も兼ねる場合です。一人しかいないので、契約という形ではなく、信託宣言という形をとります。これを自己信託と呼びます。
信託財産には倒産隔離機能があるため、自己信託を設定することで、信託財産に強制執行をされることがなくなるので、他人のために財産を管理することができます。

5.家族信託の信託期間と終了事由について


(1)信託期間について


 家族信託の委託者は信託の目的を達成する為、信託の期間を定めることができます。「信託の期間」というと、終了の時期を指すことが多いですが、契約してもすぐには信託の効力を生じないようにしておいて、委託者の判断能力が低下してから効力生じるというような「始まる時期」を定めることもできます。

(2)信託期間の終了以外の終了事由

 信託期間が終了すること以外にも、信託が終了する場合があり、代表的なものとしては、当事者の合意による終了があります。

(3)受益者連続型信託の場合は信託の期間に制限がある

例えば、当初委託者Aを当初受益者としておき、Aが死亡したらAの妻Bを受益者とし、Bが死亡したらその子Cを受益者とするというような受益者連続型信託の場合は信託期間の制限があります。信託契約後30年を経過した後以後に現に存する受益者が受益権を取得した場合は当該受益者が死亡するまで、または受益権が消滅するまでの間とされています。

(4)信託期間の例

  • 受益者が死亡するまで
  • 本信託の効力発生後30年間
  • 信託財産が消滅したとき
  • 受益者が成年に達したとき
  • 受益者が大学を卒業する月まで

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