実家の空き家対策のための家族信託の事例

2021/4/13

2021/04/20

ご実家のお母様が施設に入居することになった場合を想定し、空き家になってしまうご実家の今後についてご相談いただきました。

家族関係・財産

Bさん(45歳)は、実家を離れて、妻と子2人とで暮らしています。 実家にはお母様(73歳)が一人で暮らしています。 お母様は近くに友人達もいるのでできる限りは自宅で暮らしたいというご意向ですが、足腰も弱くなってきたので、いずれは施設に入りたいと思っています。 財産は数年前に亡くなったお父様から相続した自宅不動産と預貯金です。

お悩み

Bさんとしては、お母様のご意向を尊重したいと思っていますので、できる限りは自宅で暮らせるように支援したいと思っています。 ただ、施設に入った後は空き家になってしまうので、火事などでご近所に迷惑がかからないか心配です。そこで、空き家になったら売却できるように備えておきたいとお考えでした。

解決策

家族信託をご提案しました。

委託者:お母様

受託者:Bさん

受益者:①お母様、②Bさん

信託財産:自宅不動産と預貯金の一部

残余財産帰属者:Bさん

ポイント解説

実家不動産を信託することで、空き家になった場合はBさんが速やかに売却や取り壊しができるようになりました。 いずれは施設といっても、年齢的にまだまだ自宅で暮らすことになりそうなので、バリアフリーのリフォームをするなどの支出に備えて金銭も信託しておきます。 また、実家の売却代金で施設費の支払いに充てることもできます。

この記事の監修

齊藤潔

さいとう司法書士・行政書士事務所
司法書士・行政書士・民事信託士
齊藤潔

開業以来、一貫して相続・成年後見など家族に関する法務に携わる。
家族信託や遺言など生前からの対策が必要な方への支援を行っている。

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